潮祭りで見つけた、もう一つの小樽。

私は学生時代から何度も小樽を訪れ、現在は廃校となった小樽短期大学で2年間教鞭を執りました。そして現在も、小樽へ足を運ぶ機会は少なくありません。

それでも、不思議なことに「おたる潮まつり」に参加したのは今回が初めてでした。

正直に言えば、参加する前の印象は「昔ながらの、少し保守的なお祭り」。

どこか古臭く、地元の人たちのためのお祭りというイメージを持っていました。

しかし、その印象は会場へ着いてすぐに変わりました。

軽快な司会の進行。

街中に響く潮太鼓の音。

そして、何より多くの人が自然と笑顔で祭りを楽しんでいる姿。

古くから続くお祭りでありながら、どこか新鮮さも感じられる空気が流れていました。

そして「潮ねりこみ」では、美しい着物を身にまとい、踊りを自由にアレンジしながら楽しんでいるグループがとても印象的でした。

伝統を大切にしながらも、それぞれが自分らしく表現している。

決して型にはまっているだけではない自由さがありました。

しかも、飛び入りで参加できることも知りました。

今回は荷物が多く見送りましたが、次に訪れるときは軽装で参加してみたいと思わせるほど、温かく迎え入れてくれる雰囲気がありました。

飛び入り参加のグループには、外国人観光客の姿も見られました。見よう見まねで踊りを楽しむ様子はとても自然で、言葉が通じなくても祭りを通して人と人がつながっているように感じられました。

今回、地元の方々のお話を伺う機会もありました。

子どもの頃は親に連れられて訪れ、今では自分の子どもと一緒に訪れる。

潮まつりは、そんなふうに世代を超えて受け継がれている夏の思い出になっていました。

一方で、以前ほど祭りへ足を運ぶことはなくなったという方もいました。

それでも「もし潮まつりがなくなったら寂しい」とおっしゃっていたのが、とても印象に残っています。

毎年必ず参加するわけではなくても、そこにあることが当たり前であり、その存在そのものが街の安心感になっている。

潮まつりとは、そんな存在なのかもしれません。

私自身は千葉で育ち、二十歳から札幌で暮らしています。

札幌は便利で活気のある街です。

一方、小樽は海と山に囲まれた港町。

街を歩いていると、海が近く、山が近く、人との距離もどこか近く感じられます。

だからこそ、この祭りも小樽だから生まれ、小樽だから続いてきたのではないでしょうか。

祭りを歩きながら、私はこんなことを思いました。

小樽には、少し背筋を伸ばして生きる美学があるのではないか、と。

歴史ある街並みを大切にしながら、新しいものも受け入れていく。

派手さを競うのではなく、自分たちの街を誇りに思い、その魅力を自然体で伝えている。

そんな空気が、この祭りにはありました。

今回、私は「古いお祭り」を見に来たつもりでした。

でも帰る頃には、「新しい小樽」を知った気持ちになっていました。

長く続いているものは、決して古いだけではありません。

大切に受け継がれてきたからこそ、今も多くの人の心を動かし、新しい出会いや発見を与えてくれるのだと思います。


How Art You Otaru Information

潮まつりに参加する前も、そして参加した後も。How Art You Otaruで、小樽の余韻をゆっくりと味わっていただけたら嬉しく思います。

How Art You Otaru(はうあーとゆーおたる)には、ゆっくりとお過ごしいただけるカフェスペースを併設しています。

小樽観光の合間や、お散歩のひと休みに、人気の本格チュロスと美味しいお飲み物はいかがでしょうか。

色彩豊かなハッピーアートに囲まれながら、心が少し軽くなるような、穏やかな時間をお楽しみください。

皆さまのお越しを心よりお待ちしております。